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蔵見学の注意とお願い

当ブログでは、蔵へ見学に伺った時の記事を多く載せています。

そこで「私も蔵見学へ行ってみたい」という方へ
お願いと注意点を。

初めに大事なことを。

常時、蔵見学を受付けている観光的なシステムがある一部の酒蔵を除き、

「ほとんどの蔵は一般の方の見学を受付けていない」

と思ってください。

では私がどうしているかというと。。。

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蔵見学2017「川敬商店」

蔵王酒造さんに伺った翌日は、
美里町の「川敬商店」さんへお邪魔しました。


このブログでは、なんと2008年に記事を投稿して以来!
ちょっと自分でもびっくりしました。
その間にも、別なお仕事などでお邪魔しているし
川敬商店の顔として活躍中の川名由倫さんとは
イベントなどでちょくちょくお目にかかっているので
自分にとってはとても身近で親しみを感じている蔵元さんなのです。

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(上は昨年の11月の穣りの宴での由倫さん)

「黄金澤」、「橘屋」を造る川敬商店さんは、全国新酒鑑評会の金賞を
13年連続受賞! しかも記録は更新中!

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前日にお邪魔した蔵王酒造さんもそうなんですが、
この川敬さんも以前は3000石を造っていたこともある蔵元さんでした。
なので、敷地が広くて蔵も大きいのですが
現在は小仕込み中心に約400石の規模で造っていらっしゃいます。

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酒造りの工程で重要な順番のことを言った言葉で
「一麹、二酛、三造り」というのがありますが、
宮城の蔵元さんたちは、麹のさらに前の「洗米、浸漬」の段階をすごく大切にしています。
川敬さんもまた然り。

精米歩合が60%以下の米は、このネットに5㎏ずつ入れて手洗いされてるそうです。

洗米専用の機械もちゃんとあるのですが

「5㎏ずつだとよく水をかけながせて、ぬかをきっちり落とせるし
雄町のような割れやすい米も、やさしく洗えるんです」と由倫さん。

黄金澤や橘屋の、曇りのないおいしさの理由は
こんなところにあるのかな、と思った話でした。

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もう今期の麹仕事は終了されていました。

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「今年は米が固めだったので、最初の段階であまり乾かし過ぎないようにしました」
と由倫さん。

下の穴の空いた板がスライドできるようになっていて
乾かしたいときは穴を広げ、温度を上げたいときは穴を閉じる
という風に使うそうです。

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ひとめぼれ 60%精米の麹。

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今期最後の酒母を見る由倫さん。
「この子、すごい元気なんです。いい子なんですよ~!」と
愛おしそうに語るその姿から、母性を感じました^^

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もろみタンクもあと数本。
雄町で仕込んだ1本の酒母を2つのタンクに分けて仕込んだ兄弟タンクがあり、
それぞれ味が違うことを確認。面白い!
どんなお酒として販売されるのかなあ、楽しみです。

最後は大吟醸や橘屋純米吟醸原酒、黄金澤黒ラベル、橘屋雄町などを
きき酒させていただきました。
大吟醸がとにかく素晴らしいお酒で。。。うっとり。。。

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「人の手をかけて、人の手で慈しんで酒造りをしたい」と話していた由倫さん。

これを聞いて、思い出したのが、以前、お父さんである社長の正直さんが搾りのタイミングについて話された言葉。

「もろみの声を聞き、もろみとお話するんです」。

このお話、お酒への愛情を感じて、感動したんですよね~。

由倫さんの言葉に、父から娘にしっかり受け継がれている
川敬さんの酒造りの原点を見た気がしました。

連れて行ってくださった阿部酒店の阿部さん、
ご一緒させていただいた皆さま、
そして蔵の皆さま、どうもありがとうございました。

蔵見学2017「蔵王酒造」

3月初め、宮城の2つの蔵を続けて見学させていただきました。
 
まずお邪魔したのが白石市の「蔵王酒造」さん。
2014年、2016年に続いて、近年では3度目です。
2014年 その1 その2
2016年 その1 その2
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大滝真也さんが杜氏となられてからは2回目の見学です。
今回の見学は蔵元見学がほぼ初めての方々にご一緒させていただいたこともあり
大滝杜氏が酒造りの仕組みについてとても分かりやすく説明してくださいました。
例えば酒母を造る段階では、
健全な酵母を大量に増やすという目的がありますが、
このことを説明するのに、大滝さんはこんな風に話しました。
 
「この部屋(酒母室)に、最初私たち7人位しか酵母がいないとして
このままだとすき間がたくさんあってすかすかです。
分裂して数が増えて自分たち(つまり酵母)で部屋がいっぱいになれば
他のもの(つまり雑菌)が入りにくくなりますよね」
分かりやすい!
説明を聞いていた方々、「なるほど~!」と感心してうなずいてました。
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むくむくと元気な酒母。
「酒母の段階がいちばん香りが高いんですよね。
醸造家としてはこの香りを残したいんですけど、なかなか難しいですね」

(大滝さん)
 
さてここ4、5年の間に、一気に宮城の人気銘柄のひとつになった感がある蔵王さん。
その間、上槽後の酒の温度管理の徹底をはかったり、
麹室や、ヤブタの濾板を新しくしたり、分析の機械を導入したり、
酒質を上げるために、ひとつひとつ改良を重ねてきました。
(その辺は、2014年、2016年の記事をご覧くださいませ)

「今期、ひとつ心がけてやっていたことがあります」と大滝さん。
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それは「もろみの中のお米を食べること」だそうです。

米を噛んでみて、その硬さを感じることで溶け具合をはかることを
意識してやっていた、と大滝さん。
「データは大事だと思いますが、それだけに走らないようにして
五感を使って、データとすり合わせる。それが今の自分たちの造りに
いちばん合っているのかなと思います」。
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麹室では、副杜氏で、麹担当の金子さんが作業を見せてくださいました。
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種麹も見せていただきましたよ。

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仕込みを行う下の階に出来た麹を下ろすために、床に空けられた穴。

古くからの蔵元さんには、よく見られる合理的な工夫ですが、
蔵王さんにもあったんですね!

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火入れ・瓶詰めのラインも見せていただきました。
火入れはプレートヒーターと、パストライザーの使い分けをされていて
それらの特長についても説明がありました。
現在はろ過後、1週間以内には火入れするようにしているそうです。

冷蔵庫は現在5つ。
保存するのに使うのはもちろんですが、
それぞれ設定温度が違う冷蔵庫間を出し入れすることで、
出荷前の酒の味の進ませ具合も調整しているとのお話でした。
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最後はきき酒をさせていただきました。
いつも見学に伺った時にお邪魔するこのお部屋、
リフォームして、とても素敵になってました!
夏場は大工の棟梁だという蔵人さんが手掛けられたと聞き、びっくり。
麹室や麹の大箱も作った方です。すごいわー。。。

同行の方々から、大滝さんが杜氏になられたいきさつについての質問が飛び
その話の流れから、前杜氏の杉浦さんのお話になりました。


「今自分が杜氏になってあらためて思うのは、
『人に任せる』のがどれだけたいへんなことかですね」

と大滝さん。

「杉浦杜氏は、自分に任せる時は全部黙って口出しせずに任せてくれました。
きっと心配だったと思うんですけど…。それを表に出さないようにされてて
自分たちがのびのびと酒造りに携われるようにしてくださった」。

言葉の端々に、杉浦杜氏へのリスペクトと感謝が感じられて
こちらまで何となく、うるっと来るものがありました。
蔵王酒造さんを訪ねていつも思うのは、
ホントに蔵の方々が楽しそうに、仕事に向かっておられるなということ。
もちろん大変なことはあるんでしょうけれど、
クリアにできる物や事はみんなで解決していこうという空気があります。

「酒は作業をこなせばできてしまう。だからこそ、
自分たちはそこにひとつひとつ意志を込めて造りと向き合っていきたい」


と最後に話してくれた大滝さん。

これはたぶん蔵王酒造で働く方々全員の意識だと思います。
それが伝わってくる蔵見学でした。


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蔵の皆さま、ご一緒させていただいた皆さま、
どうもありがとうございました!

チャレンジ!「ハゼの焼き干し」作り!

すっかり休眠ブログ(笑)、久々の更新です。
今回は「だし」関連の話題。
 
突然ですが、皆さんの地域ではお雑煮のだしは何で取りますか?
カツオ節? 昆布? 鶏? あごだしという地域もあるでしょうか。
宮城県内では伝統的に「ハゼの焼き干し」を使うところが多いのです。
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(以前の画像ですが、こんな感じ)。
今回は、松島湾とその沿岸地域を活動の場としている
つながる湾プロジェクト」さんの
「松島湾とハゼ」という企画で、
その中の「ハゼの焼き干し作り」に参加してきました。
 
ハゼを釣るところから始めて、焼き干しを作り、
さらにはお雑煮作りまでを体験することで
地域に伝わってきた食文化を実感し共有しよう、という
素晴らしいプロジェクト。
だし文化も食文化の一環ですから!

残念ながら参加できなかったハゼ釣りの模様は
こちらから。
釣り針を使わない「数珠釣り」という、
松島湾の伝統的なハゼ漁の漁法を
名人から学びながら体験したそうです。
 
さてハゼ焼き干し作り。
会場は塩釜のアイランズコート。
まずはハゼ釣り名人の佐藤さんにお手本を見せてもらいました。
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串でお腹を少し割いて、内臓をぴゅっと押し出し…sad
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口から串を入れ、中骨に沿ってまっすぐ刺す!
その際、気を付けるのは貫通させないことと、
串が皮ぎりぎりにならないようにすること。
なぜかは後で分かります。
 
では実践!
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先日の数珠釣りで釣ったものを冷凍してあったのは
動かないのでわりと楽に串をさせたのですが
名人が前日朝釣って、活かしておいたハゼは元気にビクビク動くので、
つかんでいるのも難しい。
 
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小学生も挑戦。
なかなか手際がいいね!
 
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あっという間に100匹以上のハゼちゃんたちが串刺しに。coldsweats01
これを持って近くの太田與八郎商店さんという
味噌醤油蔵の駐車場へ移動です。
 
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この日のために作ったという特製の炉に炭を熾し、
砂に串をさして焼いていきます。
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初めは背中から焼きます。
串は立て過ぎても寝かせ過ぎてもいけません。
角度がだめだと容赦なく名人に直されますよ(笑)
 
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じっくり焙られていい色に。。。happy01
あたりには魚の焼けるいい香りが漂います。
面白かったのは、生きたまま串に刺されたハゼは
焼かれているうちにヒレと尾びれが立ち上がって開いていったのに
前に釣って冷凍してあったのはヒレが寝たままだったこと。
鮮度がいいほうが口も大きく開いて照りがありました。
 
伊吹島のいりこを思い出しました。
 
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生きているうちに煮られる伊吹島のいりこにも
こうして口が開いたままのものがよくあります。
さて、焼きあがったハゼは串から外すのですが、
この時串が皮にくっついていると、うまく外れず身が崩れてしまいます。
きれいに刺さっているのはスッと串が抜ける。
まっすぐ刺すのはこのためなんですねー。
なんでもやってみないと分からないものだなあ。
 
すぐに藁でくくると、ハゼがつぶれてしまうので
きょうはそのまま持ってかえって
一日おいて各自が藁で編むことになりました。
でも編み方は分からないので、またまた名人からお手本を見せてもらいます。
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ハゼを編み込んだあとで
名人がわらを縒るときれいにねじねじが。
名人のしわのある手が、ピカピカに光ってみえた瞬間です。
働いてきた人の手は、美しいですね。
 
「最近はハゼが小さくなったし釣れる量も減った」
とおっしゃっていた佐藤名人。
たまに釣りをする私から見れば十分大きいハゼだけれど
昔はもっと大きいのがたくさん釣れていたんでしょうね。
そういう話をお聞きしながら、伝統の焼き干しを作ることができて
とても貴重な経験をしたなと感じました。
 
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おまけ。
焼いたお餅に太田さんとこのおいしいもろみみそをつけたもの。
おいしくて3つくらい食べちゃった(笑)。
つながる湾プロジェクトのスタッフの皆さま、
たいへんお世話になりました、ありがとうございました!
お雑煮づくりも参加したいぞー!

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