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2014年3月

蔵見学の注意とお願い

当ブログでは、蔵へ見学に伺った時の記事を多く載せています。

そこで「私も蔵見学へ行ってみたい」という方へ
お願いと注意点を。

初めに大事なことを。

常時、蔵見学を受付けている観光的なシステムがある一部の酒蔵を除き、

「ほとんどの蔵は一般の方の見学を受付けていない」

と思ってください。

では私がどうしているかというと。。。

続きを読む "蔵見学の注意とお願い" »

酒は人が造る


日本酒蔵の仕事は全体的に手作業の印象が強いと思います。

たとえば、麹造りや、もろみの櫂入れなんかは

お酒を良く知らない人でも、イメージする作業ではないでしょうか。

 

ラベル貼りや、酒の瓶詰も、手作業で行っている蔵がまだまだ多いです。

歴史のある蔵は、建物自体に年月を重ねた風格を感じるところもあります。
(古さゆえ、構造上の理由で衛生管理が行き届かない、という苦労も

あると思うのですが)

そうしたところにロマンを感じ、
日本酒蔵らしさを感じる人が多いのは事実。

だから、機械化を進めたり、蔵を近代的なものに建て直したりすると

「工場で造っているみたいで味気ない」と言う声もたまに聞こえてきます。

 

でも、それは少し違うと、私は思っています。

 

以前、ある蔵元さんが話していました。

 

「機械化しても、その機械を使うのは人。 

たとえば、もろみの温度を調整する機械を入れても
その温度を何度に設定するかは、人の経験が絶対に必要です」

 

また、こう話した蔵元さんもいました。

 

「ラベルを手で貼っても機械で貼っても味が変わらないなら、 

そこを機械化してその分の人力で早く火入れし、品質アップに繋げたい」

 

自分はこういう酒を造りたい」という理想があって

それに近づけるために機械を導入することは、

決して、単なる工場生産化ではない、と思います。

(誤解されることがないよう、書いておきますが

古い蔵や、手作業を大切にして造りしている蔵元さんが、

遅れているという意味ではありません。

あくまでその蔵の考え方なのです)

 

もうひとつの問題は、酒造会社の職場としての環境。

朝が早く、力仕事や寒い中での水仕事が多い。

社員でなければ秋の終わりから春先までの季節雇用。

―これが今までの蔵人の働き方。

日本酒好きでも、二の足を踏む労働条件です。

萩野酒造の見学で、曜平さんが言った、

「これからは努力と根性の酒造りを見直し、 

機械化等の効率アップで無駄を排除して、 

その分を品質向上のための大事な部分に注力したり、 

蔵人の負担も減らしたりしていかないといけません。 

酒造りを若い世代にとって魅力的な仕事にしていかないことには、 

この先の未来は無いと思います」

という言葉がチクチクと刺さります。

確かに、このまま改善されないと

日本酒蔵はあと50年もしないうちに
半分以下になってしまうでしょう。

(実際、50年前は今の約2.5倍の数の酒蔵が日本にあったのです)。

 

品質に関係のない作業は効率化し、

力の差に関わらず男女問わず働ける環境と、

厳しすぎない労働条件を整えて、人員をきちんと確保し、

手を掛けたい部分にしっかりと掛けられるようにする。

そのために、機械の導入や、

蔵の新築を考えている蔵元さんは、少なくないはずです。

 

だからこそ、私たち飲み手は、

「蔵の機械化=酒の工業製品化」と安易に独断することなく、

「酒についての正しい知識を得る」こと、そして

「人(蔵元さん・蔵人さん)を知る」ことを

大事にしなければ、と思うのです。

 

酒は、どこにいても手に入る世の中ですが

蔵元さんや蔵人さんにはなかなか会う機会のない方もいるでしょう。

このブログが、ほんの少しでもその機会の代わりになれば、

うれしいと思っています。

Images

蔵見学「萩野酒造」

今期2つ目の蔵見学は「萩野酒造」さん

昨年もお伺いしました。
その時の模様は、こちら

今回は酒友の芳賀さんにお声がけいただいてお邪魔することができました。

当日はあいにくの雪模様。

P3081165_2

降りしきる雪の中、奥州街道有壁本陣を案内してくださった

蔵元の佐藤曜平さん。

あらためて写真で見ると寒そうだわ~。申し訳ない。(;^ω^)

萩野酒造さんのシンボル・赤い煙突も健在。

初めてこちらに見学に来た方もいらしたので

旧蔵のほうから案内してくださいました。

旧蔵では山廃の酒母を造っています。

震災で、蔵が傾いた様子を説明する曜平さん。

新しい木材は補強の柱。元々の蔵の壁の角度を見ると、

傾き加減が見て取れます。

でも、県内の某蔵元さんからはこれでも

「甘い!」と言われたそうです…(;^ω^)

ま、それは冗談として、本当に大きな震災だったのです。



こちらは新蔵の中です。

温度など細かい調整ができるようになった釜。

とはいえ、1日に500㎏の米を蒸す日もあれば、25㎏の日もあります。

酒米の違いや、造る酒の質の違いを考えて

蒸し方を変えなければならないので

今度はその調整が難しいそうです。

米の状態も年によって違いますしね。(´・ω・`)

発酵中のもろみ。

このタンクはこれから内側のへりについた泡の掃除を

しないといけないんです」。

こびりついた泡は酵母の死骸のようなもの。

雑味や臭いの原因になったりするので小まめな掃除が必要だそう。

昨年もきれいさにびっくりした、上槽の機械。

「(カビや雑菌の繁殖を避けるため)
部屋の温度を極力低く、清潔にと、かなり気をつかうところです
と曜平さん。

特に宮城県はこの上槽部分での意識が高いとか。

もし、上槽時にカビや雑菌により妙な臭いがついてしまうと
活性炭濾過で取るしかありません。

でも、それで、変な臭いが取れる代わりに

米の旨みやいい香りまで取れてスカスカな酒になってしまう場合もあるのです。

そう考えると、コメの旨みとさわやかな香りが特徴という蔵が多い
宮城の酒にとっては、とても重要な部分なのですねえ。(*'ω'*)

麹室です。

ことしから(?)(去年からかな? 

すみませんちゃんと聞いてなかった…)。

新しい麹を使ってみているとか。

右側のブルーの袋がその新しい麹。

お米を糖化する力がこれまでの麹に比べてかなり強力だそうです。

いろいろ進化してるんですね。。。(*'▽')

見学を終えてきき酒をさせていただきました。

美山錦 50%の純米吟醸と、

山田錦 40%の純米大吟醸

山田錦のほうは、出品酒です。

どちらも香りを出す酵母を使ったお酒で華やかな香り。

口当たりが甘くやわらかく、とろっとした感じでした。

きき酒をさせていただきながら酒談義。

これからは努力と根性の酒造りを見直し、

機械化等の効率アップで無駄を排除して、

その分を品質向上のための大事な部分に注力したり、

蔵人の負担も減らしていかないといけません。

酒造りを若い世代にとって魅力的な仕事にしていかないことには、

この先の未来は無いと思います。

ウチもまだまだ根性で乗り切っている部分も多いですけどね(笑)」

話してくれた曜平さん。

ことしに入って飲んだ萩野酒造のお酒が
本当においしかった。
これからがますます楽しみになった蔵見学でした。

P3081191

曜平さん、お忙しいなか、長時間おつきあいくださり

ありがとうございました!

ご一緒いただいた皆さま、ありがとうございました。

一ノ蔵with「未来創造塾 おおさきフィールドワーク」

2月初めのことに遡りますが、

「東北の美しい未来創造塾 おおさきフィールドワーク」という

ワークショップに参加させていただきました。

 

この未来創造塾、震災後立ち上げられた仙台市の事業。

「結結(ゆいゆいプロジェクト)」(被災地と首都圏の女性が

交流することで復興を支援しようというプロジェクト)

で構築されたネットワークと、プロジェクトの成果を生かして、

復興支援とともに東北の美しく豊かな暮らし、社会づくりを実現する

女性・若者リーダーの育成を目的としているのだそうです。

 

公開フォーラムや講座などが行われているようですが、

今回は、大崎市蕪栗沼の近くの「ふゆみずたんぼ」事業について学びつつ

その課題を知り、さらに参加者で課題解決を考えよう、というワークショップ。

 

ふゆみずたんぼは、冬期湛水(とうきたんすい)水田ともいい

冬の間も田んぼに水を張っておいて、

田んぼの水生生物や冬に日本に渡ってくる水鳥たちの力を借り、

無農薬、無化学肥料でコメ作りを行う農法。

大崎市の蕪栗沼とその周辺の水田では、

全国でも最大級のガンカモ類の飛来地であることも利用して

渡り鳥との共生を目指すこのふゆみずたんぼ農法に取り組んでいます。

 

大崎市蕪栗沼周辺がそのふゆみずたんぼに

力を入れていることは知っていたのですが

訪れたのは、私今回初めてでした。

 

こちらが田んぼを案内してくださった

 ふゆみずたんぼ農家の斎藤肇さん。

 

蕪栗沼のふゆみずたんぼは現在約10軒の農家さんで

生産組合を構成しているそう。

7年前からガンの広域調査を行っていて、
ご自身のブログでも情報発信していらっしゃいます。

 

「これまで水深をいろいろ試してみたり、

デコイ(ガンを模した置物)を置いてみたりと

いろいろ工夫を重ねてきました。

成功例を作って全国にふゆみずたんぼが広まる

きっかけになったらと思っています」

と力強く話されていました。

 

P2011093

 

遠くのほうに白鳥がいるの、見えますか? 

 

実はこの田んぼの見学前には、一ノ蔵さんで蔵見学をしていました。

 

前回同様、規模には圧倒されましたが、

丁寧に手作りの日本酒を醸しておられる印象もまた前と変わらず。

 

一ノ蔵さんもまたこのふゆみずたんぼプロジェクトに商品開発を通じて参画し

「ふゆみずたんぼ」のお米を使ったお酒造りを行っていらっしゃいます。

 

 

一ノ蔵の山田室長による酒粕美容講座もありました。

 

「発酵」はここ数年で大崎市が発展のキーワードにしているもののひとつ。

発酵できれいになったり健康になったり、という情報には惹かれますよねー。

(特に女性は)。

 

 

お待ちかねの昼食。

ご飯はもちろんツヤッツヤのふゆみずたんぼササニシキ米。

ほおばるとお米のいい香りが口いっぱいに広がる!

 

 

そのほかのおかずも、ほとんどが大崎産の野菜、肉を使ったもの。

豊かな東北の食を感じるお昼ご飯にしみじみ満足しました。 

 

 

さらに食後のおやつには、

ふゆみずたんぼササニシキの玄米焙煎粉から作ったスイーツ

クッキーはホロホロと口の中で崩れる感じがとてもおいしかったですし

アイスに焙煎粉をかけたものは香ばしさとミルクの甘さがマッチして

こちらもおいしくいただきました。

両方ともお金を払ってもまた食べたい味だったな!

ただ、クッキーはあまりに崩れやすくて、運んだり送ったりがたいへんそう。

 

その後、ワークショップ。

 

 

初めに「蕪栗沼ふゆみずたんぼプロジェクト」についての

これまでの取り組みや現状などの説明があり、

その後、

 

「ふゆみずたんぼや生きものと共生する農業、

ふゆみずたんぼのササニシキの魅力・美味しさについて、

仙台の女性にどのようにアピールすればいいか」

 

をみんなで考えるワークショップ。 

 

グループに分かれて活発にディスカッション。

出たアイディアをまとめて発表しました。

 

 

 

なかなか鋭い意見が飛び出してましたよ。

この中から実際のプロジェクトに生かされるものが出てくるといいですよね。 

 

最後は、私が個人的にいちばん楽しみにしていた

「マガンのねぐら入り」の見学!

 

マガンの日本に飛来する8割は大崎で越冬するそうで

大崎市の人口より多いんだとか(;^ω^)

そして「蕪栗沼・周辺水田」と「化女沼」という

単独で2つのラムサール条約湿地を持っている自治体は、

世界で大崎市だけなのだそうです。 

 

寒い中空を見上げて待っていると…やってきました!

 

 

 

次から次へとものすごい数のガンの群れ。。。圧巻!

望遠鏡を持ってきてくださっていたので覗きつつ

写真を撮ってみました。

 

写真があまりうまくなくてすみません。
でも
感動しました。

これも立派な観光資源。

自然の迫力は素晴らしい。

 

ワークショップに参加した方の中には東京からの方もいて

大崎市のいい意味での田舎な雰囲気にとても惹かれると話されていました。

 

仙台も距離が近いとはいえ、

自然が豊富な環境に惹かれたり感動したりすることは

もう首都圏の人と変わりないのかもしれません。

押し付けたり、受け身だったりするのではなく、

お互いが求めるものを上手にくみ取って、

うまく提供し合えるような交流こそが

これから地域を発展させていくのだろう

そんなことを感じた1日でした。

 

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