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酒は人が造る


日本酒蔵の仕事は全体的に手作業の印象が強いと思います。

たとえば、麹造りや、もろみの櫂入れなんかは

お酒を良く知らない人でも、イメージする作業ではないでしょうか。

 

ラベル貼りや、酒の瓶詰も、手作業で行っている蔵がまだまだ多いです。

歴史のある蔵は、建物自体に年月を重ねた風格を感じるところもあります。
(古さゆえ、構造上の理由で衛生管理が行き届かない、という苦労も

あると思うのですが)

そうしたところにロマンを感じ、
日本酒蔵らしさを感じる人が多いのは事実。

だから、機械化を進めたり、蔵を近代的なものに建て直したりすると

「工場で造っているみたいで味気ない」と言う声もたまに聞こえてきます。

 

でも、それは少し違うと、私は思っています。

 

以前、ある蔵元さんが話していました。

 

「機械化しても、その機械を使うのは人。 

たとえば、もろみの温度を調整する機械を入れても
その温度を何度に設定するかは、人の経験が絶対に必要です」

 

また、こう話した蔵元さんもいました。

 

「ラベルを手で貼っても機械で貼っても味が変わらないなら、 

そこを機械化してその分の人力で早く火入れし、品質アップに繋げたい」

 

自分はこういう酒を造りたい」という理想があって

それに近づけるために機械を導入することは、

決して、単なる工場生産化ではない、と思います。

(誤解されることがないよう、書いておきますが

古い蔵や、手作業を大切にして造りしている蔵元さんが、

遅れているという意味ではありません。

あくまでその蔵の考え方なのです)

 

もうひとつの問題は、酒造会社の職場としての環境。

朝が早く、力仕事や寒い中での水仕事が多い。

社員でなければ秋の終わりから春先までの季節雇用。

―これが今までの蔵人の働き方。

日本酒好きでも、二の足を踏む労働条件です。

萩野酒造の見学で、曜平さんが言った、

「これからは努力と根性の酒造りを見直し、 

機械化等の効率アップで無駄を排除して、 

その分を品質向上のための大事な部分に注力したり、 

蔵人の負担も減らしたりしていかないといけません。 

酒造りを若い世代にとって魅力的な仕事にしていかないことには、 

この先の未来は無いと思います」

という言葉がチクチクと刺さります。

確かに、このまま改善されないと

日本酒蔵はあと50年もしないうちに
半分以下になってしまうでしょう。

(実際、50年前は今の約2.5倍の数の酒蔵が日本にあったのです)。

 

品質に関係のない作業は効率化し、

力の差に関わらず男女問わず働ける環境と、

厳しすぎない労働条件を整えて、人員をきちんと確保し、

手を掛けたい部分にしっかりと掛けられるようにする。

そのために、機械の導入や、

蔵の新築を考えている蔵元さんは、少なくないはずです。

 

だからこそ、私たち飲み手は、

「蔵の機械化=酒の工業製品化」と安易に独断することなく、

「酒についての正しい知識を得る」こと、そして

「人(蔵元さん・蔵人さん)を知る」ことを

大事にしなければ、と思うのです。

 

酒は、どこにいても手に入る世の中ですが

蔵元さんや蔵人さんにはなかなか会う機会のない方もいるでしょう。

このブログが、ほんの少しでもその機会の代わりになれば、

うれしいと思っています。

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